いい生活、には犠牲は付き物。『脱・化石燃料! エネルギー新時代』
以前、『報道ステーション』で見て感銘を受けたと書いた岩手県葛巻町の話が、先日届いた『JAF Mate』2008年8・9月号に載っていた。
環境ジャーナリスト 枝廣淳子氏によるレポート。
石油は、減っていく。以下、一部引用しながら話を進めたい。
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石油の生産量がピークに達し、その後減っていく時点を「ピークオイル」と呼ぶ。
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世界の新たな油田発見速度は1960年代にはすでにピークに達している。今では「1バレルの石油を発見する間に、4バレルの石油を消費している」状況だともいわれる。
世界のピークオイルはいつ来るのだろうか? 世界的にも信頼されている地質学者のコリン・キャンベルの予測では2010年だという。
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原油価格はこの10年間で6倍以上になっているが、これは決して偶然ではない。
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で、こんな状況に対して、世界が指をくわえているわけではない。
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スウェーデンは「2020年までに石油を使わない国になる」と宣言し、首相を委員長に「脱石油委員会」を発足させ、取り組みを進めている。デンマークではすでに、発電量の20%は風力発電によるもので、その割合を50%まで増やす計画だ。ドイツでは、太陽光発電による電力を発電コストよりずっと高い価格で買い取る「固定価格買取制度」によって導入を支援し、それまでトップだった日本を大きく引き離している。
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そして、日本で、再生可能エネルギーに取り組んでいるモデルとして、岩手県葛巻町の話に移る。
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昨年度の町内の消費電力3500万kWhに対し、発電量は5600万kWh。作られた電気がすべて町内で直接消費されるわけではないが、単純計算すると電力自給率は160%だ。
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素晴らしいですよね。
「CO2削減に取り組んでいる」と言って原子力発電所を宣伝するこの国にも、こういうところがあるんですね。
葛巻町の話は、以前にも書いたので割愛するとして、(詳しくはこちらの葛巻町公式サイトをご確認ください)のどかな自然の中で、クリーンに過ごすということは、「自分の体を動かして、精一杯生きる」ということに等しい。その心地よさ、充実感は想像に難くないが、しかし、いざ「自分も参加できるか?」と考えると、現在の日本で生きるに十分な経済活動とは結びつかないように思えて、このギャップに苦悶する。
同町の「森と風のがっこう」のスタッフである古川さんは、このJAF Mateの記事の中で
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「普段はスイッチひとつで沸かしたお風呂に入っている子供たちが、自分で割った薪で沸かして入って初めて"つながり"を実感できるんです。
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と述べているけれど、それは良く分かる。「生きる」「survive」ということの実感は、バーベキューの火起こしだけでも得られるものだから、「湯加減はどう?」などと会話しながら、薪でお風呂を沸かすのは楽しいだろう。
しかし、昔ながらに生きるのは手間がかかる。でも、問題はそこじゃない。
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「でも、ここで暮らすのは正直大変じゃないですか?」との意地悪な質問に、こう答えてくれた。
「大変ですよ。でも、生きる力のようなものを取り戻せた気がします。葛巻は、昔の生活に戻るのではなくて、古くからあるものを大切にしながら未来につなげていく、そんな希望が感じられる場所だと思います。
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この会話が素晴らしい。
で、である。
この素晴らしい葛巻町が、クリーンエネルギーの先進地として今あるのは、バブル期に開発業者にも見放された土地であったからだという事実は、忘れてはいけない。
実際のところ、日本中の数々の素晴らしい場所は、リゾート開発されてしまっている。
「素晴らしい自然」が失われる理由がお金なら、私たちが「素晴らしい自然とともに生きる道」に踏み切れないのも、結局はお金が理由となる。
今更ながら、お金って何だろう。
経済活動って何だろう。
資本主義って何だろう。
でも、そんなことを考えたって、家族のために、とにかく働いて生き残るしかない。
――それが私たちの現実。
それでも、時々ボーっと考えることがあります。
「俺は一体、何をして生きているのだろうか?」と。
byふじ
環境ジャーナリスト 枝廣淳子氏によるレポート。
石油は、減っていく。以下、一部引用しながら話を進めたい。
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石油の生産量がピークに達し、その後減っていく時点を「ピークオイル」と呼ぶ。
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世界の新たな油田発見速度は1960年代にはすでにピークに達している。今では「1バレルの石油を発見する間に、4バレルの石油を消費している」状況だともいわれる。
世界のピークオイルはいつ来るのだろうか? 世界的にも信頼されている地質学者のコリン・キャンベルの予測では2010年だという。
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原油価格はこの10年間で6倍以上になっているが、これは決して偶然ではない。
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で、こんな状況に対して、世界が指をくわえているわけではない。
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スウェーデンは「2020年までに石油を使わない国になる」と宣言し、首相を委員長に「脱石油委員会」を発足させ、取り組みを進めている。デンマークではすでに、発電量の20%は風力発電によるもので、その割合を50%まで増やす計画だ。ドイツでは、太陽光発電による電力を発電コストよりずっと高い価格で買い取る「固定価格買取制度」によって導入を支援し、それまでトップだった日本を大きく引き離している。
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そして、日本で、再生可能エネルギーに取り組んでいるモデルとして、岩手県葛巻町の話に移る。
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昨年度の町内の消費電力3500万kWhに対し、発電量は5600万kWh。作られた電気がすべて町内で直接消費されるわけではないが、単純計算すると電力自給率は160%だ。
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素晴らしいですよね。
「CO2削減に取り組んでいる」と言って原子力発電所を宣伝するこの国にも、こういうところがあるんですね。
葛巻町の話は、以前にも書いたので割愛するとして、(詳しくはこちらの葛巻町公式サイトをご確認ください)のどかな自然の中で、クリーンに過ごすということは、「自分の体を動かして、精一杯生きる」ということに等しい。その心地よさ、充実感は想像に難くないが、しかし、いざ「自分も参加できるか?」と考えると、現在の日本で生きるに十分な経済活動とは結びつかないように思えて、このギャップに苦悶する。
同町の「森と風のがっこう」のスタッフである古川さんは、このJAF Mateの記事の中で
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「普段はスイッチひとつで沸かしたお風呂に入っている子供たちが、自分で割った薪で沸かして入って初めて"つながり"を実感できるんです。
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と述べているけれど、それは良く分かる。「生きる」「survive」ということの実感は、バーベキューの火起こしだけでも得られるものだから、「湯加減はどう?」などと会話しながら、薪でお風呂を沸かすのは楽しいだろう。
しかし、昔ながらに生きるのは手間がかかる。でも、問題はそこじゃない。
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「でも、ここで暮らすのは正直大変じゃないですか?」との意地悪な質問に、こう答えてくれた。
「大変ですよ。でも、生きる力のようなものを取り戻せた気がします。葛巻は、昔の生活に戻るのではなくて、古くからあるものを大切にしながら未来につなげていく、そんな希望が感じられる場所だと思います。
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この会話が素晴らしい。
で、である。
この素晴らしい葛巻町が、クリーンエネルギーの先進地として今あるのは、バブル期に開発業者にも見放された土地であったからだという事実は、忘れてはいけない。
実際のところ、日本中の数々の素晴らしい場所は、リゾート開発されてしまっている。
「素晴らしい自然」が失われる理由がお金なら、私たちが「素晴らしい自然とともに生きる道」に踏み切れないのも、結局はお金が理由となる。
今更ながら、お金って何だろう。
経済活動って何だろう。
資本主義って何だろう。
でも、そんなことを考えたって、家族のために、とにかく働いて生き残るしかない。
――それが私たちの現実。
それでも、時々ボーっと考えることがあります。
「俺は一体、何をして生きているのだろうか?」と。
byふじ












